千葉聡氏の『 そこにある光と傷と忘れもの』ISBN:4833120488
名古屋の出版社から矢のごときはやさで届いた第二歌集は装丁も質量も軽やか。
短歌ヴァーサス」の版元と知って納得。


教員生活についての一連の歌「非実力派教師の日常」と
あとがき「文学の勝利(?)」を何度も読み返す。


口語短歌が「跳躍力」とするものを
「吹けば飛ぶ軽さ」だと思うことが多くなってから、
口語短歌は読まなくなっていた。読む技術をなくした。
そんな下手な読み手でも、千葉氏の歌のいくつかには、
高く飛ぶものがあると感じられた。楽しい。


彼の歌の跳躍力は、重さが生んでいる。
教員生活が歌にのしかかるずしりとした重さが。
「教員力」という何とも無骨な言葉に、
詩情を宿したのもその重さだと思う。
最後に再び学校のことを語るあとがきは静謐な明るさに満ちている。
次を待てるうれしさ。


それとこの本、本文ページが
す る す る
していてたいへん良い感触。
読みながら思わず親指の腹ですってしまう。
気持ちいい。