こないだの裕さんかっこよかったですね(同意強制)。清四郎よかったです。


放送開始前に書けないだろうなーと言ったとおりひとつも感想書いていない有閑倶楽部ですが、毎週それはそれは楽しみに見ています。でも原作好きとして引っかかる部分もあるし、しかし楽しく見ているのも確かだし……と、どうやったってふたつのことを同時は書けないので、ひとりでテレビの前でにやにやしているのが常になっております。書くたんびに踏み絵踏むみたいな前置きのある感想なんざ誰も読みたくないだろうしさー。
でもこないだの5話……というか5話までを見て、初めてポジティブに原作と比べる事ができたというか、ああこういう事かなと思うことがあったので書いてみます。クソ長いわりにたいした結論じゃないんで畳みます。


こないだ書きましたが私は清四郎のことが結婚したいくらい好きなんで、5話のもとになった話の清四郎のことはよーく覚えております。で、裕さんのこともご存じとは思いますが大好きなんで、舐めるように見ておりました。裕さんの清四郎、つまりは好きな人の演じる好きな人を見てやっとわかったんですが、ドラマの有閑倶楽部の面々は、みな、原作のそれより幼いんだ、と。それが、裕さん演じる清四郎の科白の解釈を通じてようやくわかりました。


いきなり最後のとこですが、清四郎が和尚に喝を入れられて目を覚ました後、こどもみたいな顔でみんなを見上げたあの表情にズキュンとやられたのは私だけじゃないと断言したいところですが、あの顔を見て、うっかり「おおおひょっとしてこのギャップのために裕さんを起用したのかしら……!」と勘違いしそうなあのナイスカット、ええ蹴鞠師の監督さんがアクションを理由に推薦してくださったのは知っておりますが、そう勘違いしてしまいそうなあの顔で言った「はい……」は、原作では照れてと言うか恥じ入ってうつむいていました。涙ぐんだりはしなかった。
さらにその後、生徒会室に入ってきた後の「反省しております」。裕さんは焦ったような言い方でしたが、原作ではあきらめたようなさとったような言い方でした。
悠理に向かって豹変するところ、あれも原作の方がまだ余裕があった……というか悪人ぽくはなかった。ひたすらビジネスライクだった。
で、それは魅録も同じで、原作の魅録は清四郎を挑発するんじゃなくて「あんな余裕のないあいつ初めて見たよ」と、唯一理解を示していました。可憐も、「つまんなーい、悠理と清四郎が結婚したらもっと面白くなると思ったのに、もうみんなでばかやったりできないのかしら」と、何というかドラマの可憐よりちょっと視野が広い感じです。あ、このへんの科白は全部記憶だよりなんで違っているとは思います。


ドラマが始まる前に、女子がみんなぴったりだけど可憐はちょっと幼い感じかなーと思いました。始まってみたら、いや高校生ってこれくらいよね、と納得しました。それは美童も同じで、原作の美童は家庭教師の女子大生とあんなことやこんなこともばっちりしっかりしてるわけですが、ドラマのプレイボーイっぷりはあくまでも10代男子の域です。
原作の面々が19歳にしては老成・達観しているせいもあると思います。今にして思えば、あれは一条先生の性格がずいぶん反映されていたんじゃないかな、と思うんですが(第1話で白雪緑をたしなめるときの可憐とか)。でも金と暇をもてあましたら枯れていくのは必然で(笑)、そんなどこか諦観*1のなかにあるはちゃめちゃさが有閑倶楽部の魅力であり、かつて彼らより年下だったときに*2、たまらなくクールに映りました。
ドラマの彼らはより高校生らしく、幼く、「当事者」です。それが「魅録が主人公」の次に違和感だった。しょっぱなから、よりによって魅録がふられて泣くなんて! と思ったのも、思えばこれだったんだと思います。恋愛の当事者になるなんて、と言う。


でも当事者として、野心に目が眩んで、自分を見失って、涙をこらえる清四郎は可愛かった。まだまだ子どもなんだなぁと可愛かった。原作の清四郎は、もっとこう出世に燃えるビジネスマン的気の迷いというか。それも素敵だったけど、横山清四郎も可愛かった。
ぐっと贔屓目が入ってやっと、どっちもありだな、と。なんかえらそうですが、原作のどこかに漂うひとすじの諦観が好きで、それがほんとに好きな点だから、「それはそれ、これはこれ」としながらも、やっぱり原作のそういう味を見つけられないドラマは有閑倶楽部じゃないよなぁと思ってました。
それと矛盾するドラマの彼らの魅力を、矛盾してもでも可愛いなぁと、もうこれは横山馬鹿の絶大な贔屓目をもって、原作の魅力と種類の違う魅力であったとしても、確かに魅力だとやっと理解しました。もちろん最初から「それはそれ、これはこれ」のスタンスで見てたんですが、それは腹を立てないための手段であって、「それはそれ、これはこれ、そしてどっちも良い」ではなかったんですね。いや体ではわかってたんだよ。萌え泣きしっぱなしだったからさ。可愛かったほんとーに可愛かった。


それにしても裕さんのシリアス演技は狂気に転びやすいですな。

*1:金と権力で何でもできる、というのは、ある種の諦めであると思うので

*2:すっげー昔の話ですけど